あゆみ
共同保育所から第二こぐま保育園・こぐま統合園舎の完成まで
赤ちゃんは母親が育てるのが当たり前といった時代に、「ポストの数ほど保育所を」と乳児保育を求めて行動し行政を動かした人々がいました。その運動が認可保育園を作り、待機児童解消のために分園を開設し第二こぐま保育園の建設に繋がりました。
その1 共同保育所として発足
1965年5月1日、働く父母の強い要望の中、新栄町の個人のお宅で共同保育所が産声を上げました。「こぐま共同保育所」と名付けた産休明けから預かる保育所はたった二人の子どもから始まりましたが、すぐに5人10人20人と増え、手狭になったことや大家さんの都合などで4回も移転を繰り返しました。
不十分な設備、高い保育料、増減が激しい子どもの数、困難な運営、たび重なる移転など困難ななかでも、行政へ働きかけながら保育士と父母が力を合わせて運営してきました。
その2 こぐま保育園の誕生(刈谷で最も小さな保育園の誕生)
より良い保育環境を求め、5か所目に移転を余儀なくされたときに、社会福祉法人立の認可保育園の建設に踏み切りました。刈谷市にも働きかける中で、公園に近い土地を購入することが出来ました。
資金は建設委員会がみんなの寄付や貸し付けで準備しました。
1978年4月 | 0~2歳30名定員のこぐま保育園が誕生 |
1997年4月 | 乳児室を拡張して35名定員に |
2001年4月 | 園舎を拡張、定員を45名に増員し3歳保育を開始 |
その3 就学までの保育園の誕生
1995年2月のこぐま30周年のつどいで「就学前までの保育園を作ろう」との合意から3年が過ぎた1998年4月に「就学前保育を実現させる会」を発足させました。2001年に刈谷市を交えて地主さんと懇談し借地の目処が立ち、2001年11月に建設委員会を発足させ東園舎建設に取り掛かりました。2004年3月15日にお世話になった多くの方々とともに竣工式・開園式を祝いました。
建設地 | 刈谷市富士見町3丁目304~308番地 |
敷地面積 | 1,139平方メートル(345.15坪)50年定期借地 |
建屋面積 | 442.11平方メートル(保育室4室 遊戯室100平方メートル 子育て支援室 他) |
定員 | 西園舎と併せて90人に |
その4 分園の開所
全国的に待機児童が問題となる中で、刈谷市も同様に公的な保育所に入れず困っている人たちからの問い合わせが当園にも寄せられていました。何とか力になれればと、2010年10月1日、待機児解消をめざして本園から徒歩2分のところに定員20人の分園を開所しました。
ビルの二階がこぐまっこ
こぐまっこも加わって開所式
その5 第二こぐま保育園の開園
女性の社会進出、男女共同参画社会の実現への動き、リーマンショック以降の不況とあいまって働き続ける女性の増加や保護者の病気などによって保育園への入園希望が急増する状況はなかなか改善しませんでした。
刈谷市はもちろん当法人も受け入れ枠を増やして対応してきましたが認可保育園への入園希望に対して応えきれていない状態でした。中でも刈谷市南部の東刈谷区域は人口の急増区域で、この地域への保育園建設が喫緊の課題になっていました。
2012年2月8日の市懇談の席上で副市長から新園建設に対する支援の約束いただき、建築課や農政課への資料作りに取り掛かりました。借地契約・農振除外・農地転用許可・駐車場確保・福祉医療機構への借入金手続きなどの難問を多くの方々の協力で何とかクリアし、2012年11月27日に地鎮祭を迎えることができました。建築許可後わずか4カ月という工事期間でしたが無事完成し、2013年4月1日から保育を開始し、4月2日に開園式を行うことができました。
所在地 | 刈谷市半城土町中ノ湫110番 |
敷地面積 | 2,438平方メートル |
建築面積 | 1,159.91平方メートル |
開設日 | 2013年4月1日 |
定員 | 110人(2歳未満児:27人・2歳以上児:83人) |
その6 定員増とこぐま保育園東園舎の増築
2012年8月に成立した「子ども・子育て支援新制度関連3法」に基づいて、刈谷市でも2014年7月に刈谷市子ども・子育て会議が発足しました。子ども・子育て支援事業計画が示されましたが、待機児童の解消は2019年までかかる計画でした。法人として何とかしたいと、こぐま保育園も第二こぐま保育園も刈谷市の協力を得て定員を増やすことにしました。
こぐま保育園は、定員を大きく超えて保育しており居食分離もままならず、増築が必要な状態でした。刈谷市にこの状況を訴え、2014年9月に補正予算が付きましたが、建築資材の高騰や職人不足などで入札不調になってしまい、2015年度4月に間に合わせることができませんでした。
第二こぐま保育園には大きなホールがあり、一角をフリースペースとして活用することができたので2015年4月には定員を12人増やして122人とすることができました。
こぐま保育園の増築では、大雨による土砂崩れの発生での工期の延長、追加費用の発生等もありましたが、念願であった定員25人の保育室2室と会議室や休憩室などが完成し2015年11月より保育を開始することができました。
その7 統合園舎の建設と西園舎の解体
2017年ころから老朽化が目立つ西園舎を改築したい。西・東・分園に分かれての保育は報連相など問題課題が多く、園舎を統合して使いやすい、連絡の取りやすい新園舎建設の機運が高まりました。
刈谷市との懇談を通じて、西園舎の改築は旧園舎を取壊し建替えとなることや築40年を過ぎれば国などの公的補助が受けられることが分かってきました。2018年から具体化をすすめましたが、オリンピックの関係で資材高騰や人手不足が想定され2021年4月開園としました。工事は新園舎建設、統合化のための大規模修繕工事と続き、西園舎の解体は2022年3月31日でした。
西園舎の跡地に支援センターを駐車場の上に建てる計画でしたが、公的補助が困難となり計画の見直しが必要になりました。
理事長あいさつ
社会福祉法人西三河子供の家はトヨタ発祥の地でグループ会社が多く集まる働く人たちの街刈谷市にあります。実家も遠く産休明けから預けられる施設が無かった時代に、共同保育所を立ち上げた先輩たちの運動がありました。全国の認可保育所設立の運動に励まされ、産休明けから2歳児までの30人定員のこぐま保育園が誕生したのが1978年でした。
その後、就学前までの保育園に成長し、看護師配置や延長保育、祝日保育の要望に応えて自主事業や公的補助で実現させてきました。待機児童問題が大きく取り上げられるようになり、分園や第二こぐま保育園を開園し、社会福祉法人として一定の役割を果たしてきました。引き続き親も子も職員も共に育ちあう在所のような保育所を目指してまいります。
理念・保育目標
《法人理念》
共同の精神を生かし、時代の要請や地域のニーズに応える社会福祉事業をめざして健全な法人運営・経営を行う
《保育所理念》
児童憲章・児童福祉法および子どもの権利条約にのっとり、その精神を保育に生かす
- 子どもの成長発達を保障し、個々を大切にした保育をめざす
- 子どもを中心に親・職員・地域のつながりを大切にしながら、親も職員も共に成長できる保育園をめざす
- 自分も他の人も大切にできるような保育園をめざす
- アットホームなつながりを持った、心が通い合う保育園をめざす
《保育目標》
- 人間として生きる基礎をしっかりと身につけた子どもを育みます
- 父母と職員が共にいきいきと育ちあう場にします
- 地域に根ざした保育センターとしての役割を果たします